鼻詰まりと矯正治療の関係

もし、お子さんの鼻が詰まっている、いびきがある、姿勢が悪い(猫背)等の症状が出ていれば注意が必要です。歯並びの悪化、それに伴う舌位の異常による顎の成長発育不全、過剰発育が考えられます。この点に関して、現在すでに症状として出ている人もあれば、これからさらに悪化していく場合もあります。お子様の矯正治療は重度の場合を除いて当医院ではⅠ期治療とⅡ期治療に分けて行っておりますが、もしこのように鼻疾患が原因でこれを解決するために矯正治療を行うならⅠ期治療だけでも行った方がいいと考えております。全顎の矯正治療は予算もかかってしまうのでご家族の方は負担が大変だと思います。

Ⅰ期治療では具体的には歯の裏側に拡大装置をつけて鼻腔を広げていきます。状況によってはそれに適応できるように臼歯部のかみ合わせを高くしたり、下顎が前方に成長発育できるようなかみ合わせに誘導していきます。前歯部が萌出していれば将来に向けた正常方向への誘導を行っていきます。

口をぽかんと開けたままのお子様に口を閉じる機能訓練(MFA)を行っても、もともと酸素を十分に取り込めていないので無理があります。また、取り外しの床(入れ歯タイプ)装置では根本的な鼻疾患の解決にはなりません。
お子様の成長の中で、鼻で楽にきちっと呼吸させてあげることは今後の脳や身体の発育にとって最も大切なことだと考えております。

この事に対する根本的なアプローチがないまま、ただ単に歯並びを治すことは問題の解決にならないと考えております。

鼻疾患に伴う2次的症状

・寝汗が多い
・オネショがある
・寝起きが悪い、朝から疲れている、集中力がない
・発音がおかしい、しゃべり方がほかの人と違う
・食事に時間がかかる

寝ているときには鼻から酸素を取り入れるように身体はできていますが、
十分な酸素が取り入れられていないためこれらの症状が出てきます。
もし、お子さんが口をぽかんと開けたままで歯並びに問題があれば一度相談してください。矯正治療をするかどうかは、ご家族でよく話し合って決めて下さればいいですが、状況がわからないようでしたらご相談は喜んでお受けいたします。実は私自身も子供のころ鼻が詰まっており苦労した思いがあります。
歯科医になって矯正治療を長年行ってきましたが、このことには長年気づかずにいました。矯正医でもまだこのことに気付いている人は少ないのではないでしょうか?

早期矯正歯科治療について

近年、歯並びや咬み合せの異常が顎関節や全身にまで悪影響を及ぼすことが分かってきました。
その異常をよく咬める正常な形に治す方法として、歯の生え変わりが進む成長発育の盛んな時期に、歯の生え方や顎の成長等をコントロールしてその完成に導く矯正治療があります。
永久歯列期から始める従来の矯正法に比べると、早期に始めるこの方法の利点は小臼歯を抜く割合が少なくなること、歯の根の吸収がおこりにくいこと、口もとをよりきれいに仕上げることができること等です。

正しい形に完成した子供の歯並び、咬み合わせは本人とおうちの方と歯科医が力を合わせて創作した芸術ともいえましょう。
こうして仕上がった歯並び、咬み合わせは子供に最高のハッピースマイルを与え、さらに一生の健康を支える強い味方にもなってくれるはずです。

好ましい早期治療開始時期

乳歯列期から始めた方がよいこともあります。

乳歯から永久歯に生え変わる混合歯列期の間に、骨格的にも遺伝子的特性が現れ、顔、特に口もとの特徴も目立ってきます。
うけ口、出っ歯、乱ぐい歯等の異常がある場合、その度合いが増々強まってくることがあります。
永久歯列期まで待たずにこの時期に何をどうするかが重要な鍵となります。

近年、歯並びや咬み合せの異常が顎関節や全身にまで悪影響を及ぼすことが分かってきました。
その異常をよく咬める正常な形に治す方法として、歯の生え変わりが進む成長発育の盛んな時期に、歯の生え方や顎の成長等をコントロールしてその完成に導く矯正治療があります。
永久歯列期から始める従来の矯正法に比べると、早期に始めるこの方法の利点は小臼歯を抜く割合が少なくなること、歯の根の吸収がおこりにくいこと、口もとをよりきれいに仕上げることができること等です。

正しい形に完成した子供の歯並び、咬み合せは本人とおうちの方と歯科医が力を合わせて創作した芸術ともいえましょう。こうして仕上がった歯並び、咬み合せは子供に最高のハッピースマイルを与え、さらに一生の健康を支える強い味方にもなってくれるはずです。

成人矯正歯科治療について

あなたはもう歯ならびをなおすことをおきらめていませんか?
歯周病や虫歯の問題が解決できれば、あなたもすてきな口もとを得る事ができます。
すてきな笑顔を手に入れて、前向きに生きていくエネルギーをもらう事ができるのです。

長期間にわたり安定した歯並びのために

矯正治療にはさまざまなやり方があります。

全体を行う矯正治療では昔ながらの古いやり方としてツイード法が有名です。
しかしこの方法は動かす歯に過大な力をかけすぎてしまい見た目状は歯並びが改善しても、動かした歯の根が短くなりやすいという大きな問題点をかかえています。
このような患者さんが歯周病の治療に当医院に来られた時レントゲンを撮ると、残念ながら根っこが短くなっていることがあります。
根っこが短くなると、歳とともに歯茎が下がった時グラグラして抜けやすくなってしまいます。またかみ合わせの安定にも支障がでてきます。

スタンダードな方法としてベッグ法というのも有名です。この方法は丸いワイヤーを使って歯を動かすというものです。
個々の歯にかかる負担が少ないため根の吸収を起こしにくいという利点があります。
しかし細かい歯の軸のコントロールができないという欠点があります。

これらの問題点を解決するため、バイオプログレッシブというやり方があります。
これはとても柔らかい角ワイヤーを使うことにより個々の歯に悪い力をかけず、しかも細かい歯の軸のコントロールを行うという利点があります。
私もこのやり方で長期間安定した歯ならびを作ってきました。

しかしこのやり方にも問題がないわけではありません。
そもそも矯正治療の考え方には同じ平面のなかでどうずれているかを直すしかなかったのです。

歯並びの異常は顎と歯の大きさの不調和によるわけですが、この歯並びの異常は3次元的にずれていることがわかったのです。
この歯の3次元的ズレが顎の成長方向も狂わせてしまうのです。
そうなるとこのような場合、結局3次元的ズレを改善する方法(GEAWテクニック)をとらない限り、安定した状態を維持することはできないのです。
このやり方は従来の矯正法に比べワイヤー曲げのテクニックを要し、従来の矯正法をマスターした歯医者のみ取り組めるという難しさがあります。

現在当医院でもこのような難症例の患者さんに治療を手掛け、良好な結果を出すことにより大変満足していただいております。

GEAWテクニックによる矯正治療(上顎前突の治療例)

臼歯部の咬合平面を改善することにより、下顎前方に適応させる場合

最新の矯正治療

インコグニート(舌側矯正 / 裏側矯正)

歯並びを治したいけれども長い間ワイヤーが見えるのはいやという方は多いのではないでしょうか?ワイヤーの見えない裏側の矯正(舌側の矯正)は以前からあったのですが、治療が煩雑になり患者さんの違和感が大変強いという問題点。また、治療時間も異常に長く、理想とする歯並びに改善することができないということでとてもお薦めできるようなものではありませんでした。しかし、この新しいシステム・インコグニートはそれらの問題点を解決してくれるものです。
インコグニートIncognitoシステムは、高解度3Dスキャナー、CAD/CAM システム、Wire Bending Robot など、先端デジタル情報技術を駆使して作成された、完全カスタムメイドの舌側矯正治療システムです。ブラケット、チューブ、ワイヤーは、各患者さんに合わせて個別に作成され、結果として患者さんに快適であり、術者にも非常に予知性の高い治療結果を達成することが可能なシステムです。
インコグニートIncognitoシステムは、ドイツ・バドエッセンのDr.Wiechmannによって開発されたシステムで、現在は世界で最も普及している舌側矯正システムです。ヨーロッパでは、舌側矯正治療の70%以上を占めています。

インコグニートとその他の裏側の装置との違い

装置の違和感

裏側に装置をつけることは敏感な舌の妨げになるため思った以上に違和感が強いです。
歯の裏側は、表側と違い形が複雑です。従来のブラケットは既製品のため適合も悪く厚みも厚くとても装着感の悪いものでした。
インコグニートは特別に作られたCAD/CAMソフトウェアを用いて患者さん個々の歯の形態にあったブラケットをゴールドで作るため、0.5㎜という非常に薄い厚みに仕上げることができます。 また、ブラケットの完全研磨により滑らかな辺縁処理がなされており非常に違和感の少ないものに仕上げられています。

装置の脱離 少ない

インコグニートでは、複雑な裏側の歯の形態にぴったりと適合し、接着する面積も広い為装置が外れてしまうトラブルを少なくすることができます。

治療時間の短縮

舌側につけるワイヤーは角度・アーチの調整がとても難しく理想的なものにはなりませんでした。
インコグニートでは、各ステップごとにワイヤーの形態がコンピューターにより設計されてきます。
また、ワイヤーベンディングロボットにより個人に合わせて精密に屈曲されたワイヤーが作られるため、
診療室での調整が最低限で済み治療時間を短縮することが可能になります。

金属アレルギー 少ない

インコグニートは主に金合金を使用している為、 生体にとって大変やさしい素材となっています。

虫歯のリスク 少ない

裏側(舌側)につけた矯正装置は治療中の審美的な問題を改善するため、装着感を犠牲にしなくてはなりません。
この点を改善したのがインコグニートですが、インコグニートにはもう一つ大変重要な利点があります。
それは、なんといっても虫歯ができないという点です。
虫歯は唾液の到達しにくいところにできますが、歯の裏側は唾液の流れが良くもともと虫歯ができにくい場所です。
インコグニートは歯との適合が良いため、矯正治療中の虫歯リスクが非常に少なくなります。
当然のことですが虫歯のできやすい外側(唇側)は全くさわっていないわけですから虫歯のリスクはないということになります。
矯正治療は終わったけど虫歯だらけになってしまったということがないわけですからこんなに素晴らしいことはありません。
なんとこのシステムを開発したドイツでは、子供には矯正治療の第一選択としてインコグニートを説明しています。
治療費が高いにもかかわらずです。本来ドイツにはいいものは値段が高いのはあたりまえといった根本的な考え方があるんですね。
日本ではこのシステムを広めていくためには金額的なハードルが高くなかなか広まりそうにないのが残念です。
私は許せる範囲のもっとも安価な値段でしばらくの間提供することにしました。
ぜひやってみたいという方はご連絡ください。

筋機能装置”Multi System”を用いた矯正治療

上顎前突、俗に言われる出っ歯ですが、この矯正治療は通常第1期と第2期に分れます。 第1期は混合歯列期(永久歯と乳歯が口腔内に混在している時期)です。
この第1期の治療には幾つかの方法があります。
矯正学的にはワイヤーを入れて歯を動かすやり方がスタンダードで確実な方法ですが、筋機能と顎位を適正な位置に誘導する事により上顎前突を治す治療法があります。
つまり矯正治療が必要となった原因は筋機能の不調和によるものだから、 その原因となった不調和の部分を取り除き顎位を正しい位置に誘導して改善しようというものです。

実は歯科矯正界には2つの相反する考え方が存在しています。
一つはFunctionalMatrix(筋肉の生理的要因)の不調和が不正咬合を誘発するという考え方、 そしてもう一つは不正咬合そのものに誘発されるものが筋肉系の機能不全だとする考え方です。
このことにおいて結論はいまだ出ていませんが、いずれにしても不正咬合と向き合う時には小児期の異常習癖、 口呼吸、口唇をふさがない癖、嚥下時の舌位の異常等の問題点は解決しておく必要はあると思います。

Multi Systemはこういった筋肉的不調和を是正し、しかもすでにずれてしまった下顎の後退位と上顎前歯の先方突出を矯正するものです。
夜はめるだけの簡単な装置ですからワイヤーを入れたりという煩雑な治療の必要もなく、 うまくいけばこの装置だけで第2期治療を行わなくて済みます。 また仮に第2期治療が必要になったとしても本来よりも簡単な短期間の治療で済ますことができます。

またこの装置は指しゃぶりといった悪習癖をなくすことにも使えます。
指しゃぶりは子供の精神的ストレスから来るものが多くやめるのが難しいのです。
この指しゃぶりの習慣がなくなっていないとOpen Bite(前歯に隙間ができて 出っ歯になること)を治療しても後戻りして改善できなかったのです。
Multi Systemはこの悪習癖を母親と歯医者の苦労なくやめることが
できるわけですから大変便利な装置となるわけです。

ムーシールドを使った乳歯列の咬み合わせの改善

今回、小さなお子さんのかみ合わせの不調和について取り上げてみましょう。
まだお子さんが幼稚園児にもかかわらず、かみ合わせが上下逆になっているということで心配して来院されることがよくあります。 実はこの時期の乳歯列で歯科医院に行くと、様子を見ましょうといわれそのままのことが多いようです。
残念ながらこのようなお子さんが永久歯列で何も施さず改善する可能性はたった6%!

私はこの時期の不正咬合は機能的要因によるものが大きいと思っています。
つまり舌と口唇の緊張のアンバランスによって歯の萌出方向に異常をきたしていると考えられます。
特に唾を飲み込む時の舌の持って行き方に問題があるのです。
ですからこの時期にとても簡単な症装置で舌と口唇の機能訓練を行ってあげれば、容易に不正咬合を改善できるのです。
具体的にはムーシールドという装置を入れて訓練してもらうわけです。
(この具体的な内容については他のホームページを見てください)ムーシルドについては賛否両論あるわけですが、少なくともこの時期のかみ合わせの不調和は、舌と口唇の機能異常によるところが大きいわけですから、
この装置を早期に使用することにより、将来遺伝的骨格的不正咬合になる危険性をかなり軽減してくれると思っております。

お母さんがお子さんの前歯の乳歯のかみ合わせを見た時、もし上下それぞれ6本とも反対になっていれば永久歯列で正常に改善する可能性はほとんどないといえます。
もし上下それぞれ4本までの反対なら永久歯列まで様子をみてもいいでしょう。

ムーシルド自体は簡単な装置です。しかし必ずセファロレントゲン(顔面および頭蓋の発育角度を調べるレントゲン)をとって分析する必要があります。

これにより将来下顎がどう発育するか、問題が再発する前に解決できるかどうかを知ることができます。

永久歯列で改善する可能性がほとんどない咬み合わせ

上下の歯がそれぞれ6本とも反対になっています。

永久歯列まで様子をみてもいい咬み合わせ

上下の歯がそれぞれ4本までが反対になっています。